【黒柿】茶箱　不昧公

黒柿について

樹齢数百年を越える柿の古木には、墨で描いたような紋様のでるものがあります。木の内部で、土から水とともに吸収した成分が反応して発色し、黒い模様がでるものがあり、それを黒柿と呼んでいます。古来から珍重されており、正倉院にも黒柿木工品が散見されます。紋様の出方や色味が写真と異なる場合があります。同じ模様になることがなく、唯一無二の紋様が美しい木です。

1751年3月、江戸で生まれた松平治郷（はるさと）は藩主であった父の隠居により、16歳で松江藩主（現在の島根県松江市）となります。

経済的に破綻寸前の松江藩を藩政改革によって立て直した後、茶道を究め、隠居後に不眛（ふまい）と号しました。

はじめは石州流を学び、後に自ら不眛流を立てることになります。

不眛公の影響は多大であり、菓子、茶道具などに「不眛公好み」として今に伝えられています。