【黒柿】蒔絵　中棗　（現品限り）

黒柿　蒔絵中棗　

深い時を纏う、黒柿の中棗。

黒柿の黒に蒔絵が美しく映えます。

蓋裏に、水辺の芦が施されています。

黒柿は、数千本に一本しか現れないといわれる、きわめて希少な銘木。

その存在は古く、正倉院宝物にも用いられてきた「知る人ぞ知る幻の木」です。

本品は、その黒柿の中でも、木目の美しさが際立つ材を選び、拭き漆によって仕上げた中棗です。

漆を重ねることで、黒柿特有の複雑な木目をより引き立てます。

黒柿は、乾燥が難しく、白と黒の水分含有量が異なることによって木のくせが非常に強く、扱いの難しさから「職人泣かせ」とも称される素材です。

わずかな判断の違いが割れや狂いにつながるため、長年の経験と素材への深い理解が不可欠となります。

おかや木芸 では、長年にわたり黒柿と向き合い続け、その性質や癖を知り尽くした職人の手によって、一点一点、丁寧に仕立てています。

また、国内でも有数の黒柿材のストックを有していることも、素材選びに妥協しないものづくりを可能にしています。

茶の湯の道具としてはもちろん、静かに佇む工芸品としても、永くご愛用いただける一品です。

本物を知る方にこそ、お手に取っていただきたい中棗です。