【黒柿】香筒＜六角＞

六角香筒について

六角形は、古くから調和や安定を象徴する形とされ、仏教美術や建築にも多く見られます。

その形を香筒に写し取り、香を静かに納める器として仕立てました。

黒柿特有の黒と白が織りなす表情は、一つとして同じものがなく、手に取るたびに異なる景色を見せてくれます。

香を守り、香りを整え、そして使う人の心を整える。

香筒は、香の時間をより深く、豊かなものへと導く道具です。

書斎や茶の席、静かなひとときのそばに。

実用のためだけでなく、佇まいそのものを味わう香道具として、長くお使いいただければ幸いです。

黒柿と正倉院

時は奈良時代。

幾多の苦難を乗り越え、唐よりもたらされた品々が、今なお大切に守り伝えられている正倉院御物。

その中には、黒柿を用いた工芸品が数多く含まれています。

当時、仏教を国家の中心に据えようとした天皇たちは、仏教に関わる宝物を特別なものとして扱ってきました。

厨子や供物台、儀式に用いられる道具に黒柿が選ばれていることは、黒柿が太古より、信仰と深く結びついた、価値ある素材として位置づけられていたことを示しているのではないでしょうか。

黒柿について

柿の木全体で見ると数万本に1本の割合でしか発見されないと言われている黒柿の製品は、非常に希少価値の高いものです。当店では、この黒柿丸太を、製材～自然乾燥～製品加工を一貫して行っております。

※こちらの商品は真っ逆さまにすると蓋がゆっくりと外れます。

持ち運ぶ際ご心配な方は、香筒袋、信玄袋、袱紗などに納めていただくと安心です。